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2011年2月25日 (金)

駄文。

ちょっとした駄文ですので、あしからず。

京都に行ったとき、大学時代の友人とひさしぶりにゆっくり話した。
彼女が学部生の頃からの付き合いなので、
かれこれもう10年弱か。
方や3児の母(もうすぐ4人目まで・・・)、そして、方や、しがない研究者。
けれど、彼女と毎日のように木屋町を徘徊していた頃、
自分が福岡に暮らすことになるとも、今のパートナーと結婚しているとも思っていなかったし、
むろん、彼女が若い母親になるなんてことも想像してもいなかった。

彼女の家のキッチンに二人で立って、
ダンナの話や子供の話、家を建てる話や老後の話、
そんなよもやま話をしつつ、
「こんな話をするようになったんだねぇ。大学の頃は想像もしていなかったねぇ」
と、ケラケラ笑う。
「私ね、別に後悔しているっていうんじゃなくて、
 でも、あのままだったらどうなっていたんだろうってたまに思うのよね」
それは私も思う。
たとえば、この福岡の仕事が決まっていなかったら、
それよりもっと以前にそもそも研究者を志さなかったら。
そして、それは、彼女が言うように、
別に今の選択を悔いているというのではなくて、
本当に単純な想定として考える。
そして、「人生ってどんなふうにでもなるよねぇ」としみじみ呟く。
20そこそこから30代へという、おそらく人生で最も動きの多い時間を、
互いに見てきた私と彼女が、よく言うことに
「人間なんて、どんなふうにでも生きていけるんだよ。どんなふうにでもなれるんだよ」
という言葉があって、
それは、この10年間で私たちが実感し、身をもって理解したことだ。
(この言葉、口に出すのは簡単だけど、実践して生きていくのはけっこう大変だから)
そして、学生だった頃の私たちは、この単純だけれども重要なことを全く理解できていなかった。

「あの頃の私たちって、一体何に悩んでたんだろうねぇ」
そう、毎晩毎晩、酒ばっかり飲んで、(ひどい時は、夜7時から朝の7時まで)
飽きずに話してばかりいた。
「世界が狭かったんだろうねぇ」

そう、たぶん、
どんなふうにでも生きていけるなんて思っていなかった。
選択肢はいつも限られていて、その限られた選択肢をどうやって守るかということに、
汲々としていた。
だから、すごく色んなことが怖かった。失敗することや捨てられることや、何かをなくすことが。
でも、いつからだろう。
なくすことが当然で、変わっていくことが当たり前で、
ささやかな偶然に翻弄されたり、事故みたいな出来事に呆然としながらも対処したりできるようになったのは。

そして、そんな時間をくぐりぬけて、
私たちは少し強くなり、それから、おそらくしたたかになった。
相変わらず、なくすことも当然で、変わっていくことも当たり前なんだけれど、
けれど、そんな中で自分の足で立つために(そして、たぶん、何かを守るために)、
どうすればいいのか、そのあたりがちょっとわかるようになった。

で、ようやく、
「どんなふうにでも生きていける」と思えるようになったのだろう。

よく、人は若者に「あなたたちには無限の可能性がある」って言うけれど、
たぶん、あれってあまり意味のない言葉で、
「可能性」ということを理解するには、きっと、
「そうはならなかった可能性」をたくさん所有し、
それと向き合うことが必要なんだろうと今にして思う。
「あんなふうにも生きられたんだ」と思いながら、
今の自分を振り返って、「でも、こうでよかったな」と呟いて、
けど同時に「ああなっていても、別に楽しかったのかもな」くらいの感覚で、
かつてあった可能性を振り返るとき、
私たちは初めて、自分の前に無数の開かれた可能性があることに気づくんじゃないだろうか。
その意味で、おそらく、若者は、まだそれを振り返ることができない。
そして、振り返るものがないからこそ、「無限の可能性」と言われたとき、
どれもが現実的ではない感じがして、
結局、目の前にある選択肢を守ろうとする。

未来の可能性を知るためには、たくさんの可能性を捨ててきた、という
その事実を知ることが大切なのかもしれない。
そして、その捨ててきたことを理解した上で、現実を受け入れて前を向く時、
そのときにだけ、たぶん、何かが開かれるんだろう。

今、30を過ぎた私にとって、こういう考え方はとてもしっくり来る。
さて、あと10年後にはどうなっているのだろうか。
もっと、選択肢が絞られて、必然性に縛りつけられているのかしら(笑)

・・・ちなみに、妙にリリカルな文章になってしまった。
はずかしー。
でも、これ、様相論理の話なんですよ、いや、まぢで。

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